米国リポート (2006年12月)

独立エージェントの顧客への責任


代理店の説明責任が問題となっているが、米国では保険エージェントは顧客に対し次のようなサービスを提供している:
● 顧客が求める担保内容の保険を手配すること
● 顧客が必要とする保険又は特約を勧めること
● 顧客のリスクの変化に基づいて、担保内容を変更すること
● 免責条項や免責金額があることを説明すること
● 保険カバーに影響を与える保険規制法について顧客に説明すること、等

これらの業務を徹底するため米国の独立エージェントが日々実行しているのは、次のようなことだ:
¨ 包括的なチェック・リストを使って顧客の直面するリスクを見つける。チェック・リストとはリスク探索表である。質問項目は申込書に含まれている項目よりも、当然、幅広い。
¨ 顧客とのコミュニケーション(電話、電子メール、レターなど)を記録する。“エージェントから説明されなかった”と主張する顧客に提訴された時の証拠にするため。
¨ 特殊な免責条項については、それについて説明したことを確認するために顧客から署名をとる。

  それでも訴訟社会の米国のこと、契約者は訴訟を起こす。例えば、自動車保険と住宅火災保険を付保している契約者が、既存の保険限度額を超える賠償事故を起こした;契約者は「エージェントが高い限度額を勧めてくれなかったからだ」と主張し、エージェントを訴える;実際エージェントは、アンブレラ保険(上乗せ賠償責任保険。限度額は百万ドルや2百万ドルで、対人、対物、及び個人賠償責任保険の上乗せとして機能する)を勧めたのだが、保険料が高いことを理由に契約者が同保険の付保を断ったのである(アンブレラ保険を勧めたことを証明するために、契約者の署名を取り付けていたとしても事情は同じである。顧客は訴える)。この場合、エージェントに過失有りと判断されるか否かはその時の状況に依る。しかし、訴えられた場合は防御しなければならない。このため、エージェントは専門家職業賠償責任保険を付保することは必須である。

  最近はエージェンシー管理システムのおかげでエージェントの業務上の過失は減少した。即ち、コンピュータによって業務が監視されるようになったということである。ただ、このようなシステムの有無に関わらず、エージェントが行うべきことは、業務の流れをチェックし、エラーが発生しそうな業務には監視体制を整えることである。そして、業務の正しいやり方について、スタッフを頻繁にトレーニングすることが大切である。

(2006年12月インスウォッチ掲載)


 

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