過去の記事より (1998年7月)

● クロスセリング - そのA

(2)クロスセリングの異端者: B.ファウラー社

F.チャンドラー・コディントン、ジュニア氏は、 彼自身を一般的な保険エージェント以上の者になることを教えてくれたコネティカット・ジェネラル生命保険会社に感謝している。 友人やニュージャージー州ショートヒル近辺のビジネス知己から 「チャン」の愛称で親しまれているコディントン氏は、 ボリンジャー・ファウラー社の常務取締役である。 彼は、団体医療保険、学生スポーツ傷害保険、ゴルフ場経営者保護保険、就労不能保険、年金保険と幅広い保険商品を取扱っている。 "当社はアメリカで最も多様の商品/サービスを提供している独立エージェンシーでしょうね"とコディントン氏は言う。

1950年代半ばに陸軍大尉を引退した後、 コディントン氏は、 両親が自動車保険とホームオーナーズ保険を購入しているニュージャージー州サミット市の保険エージェントにプロデューサーとして採用された。 そして、 2、3年後コネティカット・ジェネラル生命保険会社に出会う。 同保険会社は北東部でも大規模の保険会社で最近リンカーン・ナショナル保険会社に買収されている。 当時を振り返ってコディントン氏は"コネティカット社はブローカー部門を持っており、常に、我々独立エージェントとの関係構築に努めていた"と語る。

"コネティカット・ジェネラル社の小売エージェント(Retail agent; 顧客に直接接するエージェントを言う。 このような小売エージェントと保険会社の間に立つ仲介者としてWholesale brokerやGeneral agentがある)として、顧客のニーズには多様性があること、 更に、 顧客は我々に対し、損害保険のエージェントである以上のものを求めているという認識に至った。 コネティカット・ジェネラル社から財産計画、年金、退職プラン、そしてリスクマネジメントの基本を習った。 幸運だったと思う。 他のどの保険会社も当時はこのような商品やプランを提供してくれなかったから"

1977年に自身のエージェンシーを設立した時には、 顧客にフルサービスを提供するまでになっていた。 "保険エージェントは顧客にとっての弁護士、公認会計士、そして牧師ほど重要である、というのが私の哲学だ" と彼は言う。"弁護士は法律上の問題を処理し、 会計士は税金問題を取扱い、 牧師は精神的なニーズに関わる。 そして、私は、個人やビジネスの財務上の健全性を護る。 私は彼等の生活における不確定な部分を取扱っている"

ボリンジャー・ファウラー社は、 過去7年間、 合併した小中規模のエージェンシー7社からなる(7社の内の1社がコディントン社であった)7社がそれぞれ異なった分野の一連の契約と専門知識及び技術力をもって集まった。 これらの総合された能力は、 現在同社の5つの部門に代表される; 個人保険、学生スポーツ保険、団体医療保険、損害保険、その他 - その他には先に述べたゴルフ場経営者保護保険や企業昼食会クラブ保護保険等が含まれる - である。

"都心部ではビジネスマン/ウーマンが定期的な昼食会を開くことは一般的だ。 実際とてもおいしいニッチマーケットだ。 これは決して駄洒落ではないよ"

同社の従業員福利厚生給付プログラムのビジネスは、顧客との関係を強固にする重要な役目を果たしている、と、コディントン氏は言う。 "例えば、 他エージェンシーから提案されたより低額の損害保険料によって顧客を奪われたとしても、 生命/医療保険部分は当社が引き続きサービスしている。 顧客は生保商品においてショッピングして歩く(更改の度に複数の保険会社から見積をとる意)といったことはあまりない。 生保部門でのつながりからその顧客とは関係を絶やさない。 そして2、3年後には、彼等に損害保険の見積を提案することによって取替すことができる。 これまでこのやり方で数え切れない程成功したよ"

コディントン氏が過去数年間集中的に販売しているのは、 "買収就労不能保険"である。 これは共同出資会社のパートナーが、 他のパートナーの就労不能に伴うコストをカバーする為につける保険である。 "会社には2つのタイプの保険がある: 一つは就労不能となった場合の所得を補償するもの、 後一つは、パートナーが、 就労不能となった別のパートナーのオーナーシップを買取る際の費用をカバーする保険である" とコディントン氏は語る。

"前者は就労不能となったパートナー自身への補償だから、会社のキャッシュフローに影響を及ぼす事はない。 後者は、パートナーの一人が就労不能となった場合、2、3年後に発動する。 一方が就労不能となったパートナーの所有権を買取る為の資金をカバーするというものだ。 それは就労不能となったパートナーの配偶者がその会社の所有権を譲り受けるのを避ける為でもある"

コディントン氏はエージェント、特に経験の浅い若いエージェントに願うことは、保険のクロスセラー(多様な保険商品を販売、サービスする者)になって欲しいということである。 それは想像するほど難しいことではない。 "クロスセリングについてはあなたがたもよく知っているでしょう。 特に名刺の名前の後に色々な称号(CPCU, CLU、ARM等、 米国において保険/リスクマネジメントのプロフェッショナルとしての能力を証明するもの)を印刷している人々から聞いた事があるでしょう? 私が名前の後ろに付けているのはジュニアだけだ。 でも、それら称号を持っている人と同様に全てのことが私にはできますよ"と彼は語る。

コディントン氏も、 先週の記事のマイク・マッコイ氏の様に、 エージェントは顧客に対し、フルサービスを提供すべきであると考えている。 "私は顧客が賢いか賢くないかなんて問題にしてないね。 顧客にとっては生命保険も損害保険も同じ保険だ。 彼等には住宅も自動車も生命も賠償責任も全て同じだ。 彼等が求めているのは保険マン/ウーマンだ。 だからそのような顧客を失望させるべきではないよ"と結んだ。

Copyright Independent Agent, June 1998 - used with permission

(1998年7月「保険毎日 − 生保版」に掲載されました)

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